もんじゃ焼きは東京名物。東京出身の私だが、東京の下町にはあまり馴染みがなく、もんじゃ焼きも大人になるまで全く食べたことがなかった。東京を離れて数年後、久しぶりに出張を兼ねて帰省することになって、友人と会うことになった。その時、仕事で訪れた場所が月島界隈だったから、そのあたりでランチでも、ということになった。月島でランチとくれば、もんじゃ焼きだろう。当然の流れでもんじゃ焼きを食べに出かけることになった。友人と待ち合わせをしてもんじゃ焼き屋さんへ。薄暗い店内に置かれた数台のテーブルは満席で、どこも煙が上がっており、美味しそうな匂いが漂っていた。カップルや家族連れが、楽しそうにヘラを動かしては口に運び、談笑している。さて、私達も席に着く。メニューを見てもよくわからない。実は、友人も東京出身なのだが、もんじゃ焼き歴がほとんどないのだ。とりあえず、お店のおばちゃんを呼んで、ちょっとばかりの説明をお願いして、注文をすることになった。さて、材料が運ばれてきた。なにやら、とろとろとしたものが入っている。これを焼くのだろうか?友人と二人、顔を見合わせて怪訝な顔。すかさず、おばちゃんがやって来て、焼き方を説明しながら実際に焼いてくれた。ほほう、土手を作るのね。なるほど。そうこうしているうちに、全ておばちゃんが手配してくれたもんじゃ焼きが完成。なんとも不思議な形状の食べ物。小さなへらで口に運ぶ。美味しい。友人と微笑みあった時、おばちゃんも奥から微笑んでくれたのだった。